2.田の人と旅の人

毎日同じ 畦をガタゴト 軽トラックが 通り行く
土を撫でて 苗を撫でて 「今日はどうだ?」と 語りかける
風の歌が野を揺らし トンビは空を回る

よっこらせ よっこらせ
田の人は 土を踏む

毎日違う 場所を求めて ギターケースを 抱え歩く
見知らぬ街の ドアを開けて 「はじめまして」と お辞儀をする
時の中に混ざり合い 景色を音に変える

トゥットゥルトゥー トゥットゥルトゥー 
旅の人は 歌を運ぶ

秋になって 稲穂垂れたら 田の人は思い出す
作がよけりゃ 旅に出たいと ほんの少し願っても
厳しい冬の支度が すぐそこで待ってる

冬になって 凍えそうな日 旅の人は思い描く
歌がよけりゃ いつかはあの土を耕し 生きてみたい

夢のように描いては また次の街へ

田の人と旅の人 同じさ 同じ空の下
田の人と旅の人 同じさ 同じ空の下

よっこらせ よっこらせ
トゥットゥルトゥー トゥットゥルトゥー