5. 朝の森

全然眠くならないで朝まで 森の事ばかり考えていたんだよ
薄暗い夜明けの際中で 僕はたまらずに 森へ出かけてゆくよ

パキパキと小枝の音を僕一人で響かせる

朝露がぽんぽん弾け飛ぶ 眩しい朝日が僕の足跡照らす
突き進む程に霧がかった 夢か現実か分からなくなる匂い

先ほどから実は誰かの気配がする

誰もいないはずの森に居るのは誰?
耳の間近で気味の悪い震える様な音がして
顔をしかめてしまう様な風が吹き 
纏わり着く蜘蛛の巣から僕は逃げられない 
僕は逃げられない

びっくりしてヒャックリしてお尻つく 大きな蜘蛛の巣 見上げて驚いたよ
12インチの数倍はある様な 大きなレコード 蜘蛛の巣で出来てたよ
さっきから鳴り響く不気味な曲の正体

底なし沼の近くで泥濘んだ土が ぶよぶよ揺れる
蓮の葉に似た蓄音機が音を上げ
いつの間にか森中のものが歌う
纏わりつく蜘蛛の巣の五線譜に描かれた 音楽を奏でる

朝の森はパラダイス 朝の森はパラダイス