8. はもれび

午前7時の太陽が はもれびと嬉しそうに遊んでる
朝露も風と遊んでいる くるくると回る乱反射

袋がけされた桃の実が まるで白無垢姿の花嫁みたいに
柔らかに香る果樹園で 美しくその頬を染めている

撫でる 風に 振り向いたら

鮮やかな夏の日よ 実を包む君の手よ
変わらぬ秋がくれば また花芽が育つよ

気づけば僕も根を張って たくさんの感謝を吸って来た
青々と広がる僕の手は 君のことをいつしか抱きしめた

花を沢山つけてあげたいけど 君は「少しだけで十分よ」と言った
だから僕は選ぶことを知った 自分の幸せを選ぶってこと

撫でる 風に 振り向いたら

鮮やかな夏の日よ 身を包む君の手よ
変わらぬ秋が来れば また花芽が育つよ

風通るはもれびよ 収穫の日が終われば
また少し遠くまで 旅に出ることにしよう