3. ドノバン

ドノバン 君に 出会ったのは 僕が五つの頃だった
金の髪は 風に揺れ 銃を抱えて 狩りに出た
ドノバン 君は 気が強くて 簡単に全てを認めない
だからその目は 鋭くて だけど寂しそうにも見えたんだ
ドノバン 君に 出会ったのは おとぎ話の中だった
嵐の海を 彷徨って 無人島に 流れ着いた

マストの折れた 帆船を 家に変えて 暮らしてた
仲間達と 知恵を出し 生きてゆくのに 憧れた

ドノバン 五つの僕を 塗り替えてしまうには
君は 十分過ぎる程に輝いていたんだ

ドノバン 君の 真似をして 買ってもらった ハンチング
得意顔で なりきった 河原が僕らの島だった
ドノバン 僕は 知ってたよ 仲間が君を 変えた事
いつしか君は 透明で 強いあの瞳になっていた

夢の中で 何度でも チェアマン島に 行ったんだ
そうして僕は大人になり 自分の船に乗り換えた

ドノバン 僕の一部は 君で出来ているのさ
だから 大事にしてた あの本はもうどっか行った
ドノバン 五つの僕を 塗り替えてしまうには
君は 十分過ぎる 程に輝いていたんだ